中国を発祥とする東洋医学でその起源は紀元前の戦国時代に既に存在していたとされているほど、歴史ある東洋医術です。 その独特の論理を医学的なものとして体系化したのは後漢の時代と言われています。中国国内での鍼灸技術の発展と 時を同じくしてその技術はアジアへと伝えられていきます。日本には6世紀頃に朝鮮を経由して伝わったとされており、 本格的に日本の性質に合った形へと改良が加えられたのは「江戸時代」に入ってからだとされています。
日本型の鍼灸というと必ず引き合いに出されるのが「針」です。日本における鍼灸は患者の恐怖感を抑える目的か、 非常に「細く」「軟らかい」鍼をを使うのが特徴的です。管に入った鍼を「トントントントン」と軽く叩く感じで 「ツボ」へと通すシーンはテレビでも何度か見ているかと思います。逆に中国の場合は鍼は太く・管にも入っていません。 この「打鍼術」「管鍼術」は日本式鍼灸をそうたらしめている特長的な技術です。
日本に遅れて西洋にも鍼灸が伝わります。これが17世紀頃のことです。ただ、実際の治療に鍼灸が使われだしたのは 実は18世紀〜19世紀初頭の、丁度西洋社会で医療ミスが頻発し、西洋医学に対して「疑問」が湧き出ていた時代でした。 そんな時に「鍼灸」は「カイロプラクティック」と同様に「薬を使わない」「手術を要しない」ゆえに「副作用がない」 「安全な治療手段」として注目を浴びるに至ったのです。しかし、西洋医学が続々と近代化されていく中で 「気」という西洋医学(科学)では立証しきれないものに対しての関心は次第に薄まっていきました。
しかし1970年代に入り「鍼灸の鎮痛作用」が注目集め、西洋においても研究が進みます。そして今では すっかり世界に普及を見せ「補完代替医療」「第三医療」としてその立場を明確なものへとしようとしています。 西洋医学のような設備が不要なため、先進国のみならず、発展途上国からの注目も非常に大きい医療です。
鍼の目的は体を流れる「気の流れ道」である「経絡」に流れている「気」の流れを正常なものに戻すことです。 しかし「経絡」は体の奥に通っているため、直接接触することが困難です。そこで、一部経絡が皮膚の近くに 走っている場所「ツボ」を鍼でもって刺激し、「経絡」内に走る気の流れを調節します。鍼治療は人間の 皮膚感覚を利用した医術で、刺すことによって「神経機能を興奮させ」あるいは抑制させ、体の不調を取り除いていきます。
灸治療は人間の温度感覚を利用した医術です。その原理は灸による熱刺激によって皮膚組織を「焼き」、それによって 「死んだ組織」を分解して皮膚⇒血管へと吸収をさせます。この一連の流れの中で血行をよくし、「経絡」に流れる 気の流れを安定させ、体内の機能改善を行います。鍼灸ともに刺激を与えることによって起こる人間の防御機能を 人為的に活動させ、体内治癒を促すものです。つまりは「人間が本来持っている自然治癒力を促進・回復させる」 ことが目的となります。
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